インフラ設計・構築

Google共有ドライブに関する制限事項について

Googleの共有ドライブには様々な制限事項があります。

これまでのWindowsServerやNASを使用する環境に慣れていると、”様々な違い”を感じることがあります。

この違いに関して、移行初期段階では使い方や制限に戸惑うことも多いと思います。

今回は、GoogleWorkspaceのファイル共有サービス『Googleドライブ』に関する共有ドライブの制限事項について解説します。

インターフェースについてもWindowsのエクスプローラと同じように利用できるため、Google共有ドライブの制約とルールをしっかり理解してしましょう。

そうすることで、とても効率的なデータ運用ができるようになります。

Google共有ドライブは様々な制限があります

共有ドライブには様々な制限事項があります。トラブルを未然に防ぐためにも共有ドライブの制限事項を予め把握しておきましょう。

具体的な制限事項としては、アイテム数、一日のアップロード数、メンバー数に関する部分です。

共有ドライブには保存できるアイテム数に制限があります

共有ドライブに保存できるアイテム数の数は最大で40万個です。

この中には、ファイル、フォルダ、ショートカットが含まれます。

アイテム数は最大40万個ですが、余裕を持った運用をすることをGoogleでは推奨されています。

その理由は、ファイルの検索がしにくくなったりデータの整理が難しくなるという理由からです。

共有ドライブでは、データーを保存できる容量よりも、そのアイテム数が厳しく制限されているという印象があります。

Googleドライブの共有にはアイテム数の上限に制約がある
アイテム数の上限には厳しい制約がある

共有ドライブのアイテム数の制限を超えてしまった場合、新たなファイルやフォルダを追加することはできません

実際にアイテム数の制限を超えた場合、共有ドライブにデーターを入れても保存されません。

データはマイドライブ内に自動的に保管されます。

共有ドライブのアイテム数を超えた場合、そのデータは『マイドライブ』に移行される
共有ドライブのアイテム数を超えた場合、そのデータは『マイドライブ』に移行される

共有ドライブにデータを入れたのに、データが見当たらない場合は、焦らずマイドライブの中をチェックしてみて下さい。

また、アイテム数の上限だけでなくフォルダ数にも制限があります。具体的には、共有ドライブ内のフォルダは最大で20階層までネストできます。

Googleドライブを使用する場合は、階層を深くしてはいけません。

複数のドライブに分けたり、横に広げるなどの対応が必要になります。

共有ドライブには1日のアップロード数の制限(上限あり)があります。

個々のユーザーがマイドライブまたは共有ドライブにアプロードできる容量にも制限があり1日750GBまでとなっています。

また、同じ日にファイルをアップロードできなくなる基準も明確に定義されています。

  • アップロードするファイルの容量が750GBに達した場合
  • 750GBを超えるサイズのファイルをアップロードした場合

このような条件では、同じ日にそれ以上のファイルをアプロードできなくなるので注意が必要です。

なお、個々のアカウントが持つドライブの保存領域はGoogleWorkspaceのエディションによって異なります、

予め確認しておきましょう。

エディションBusiness StarterBusiness StandardBusiness PlusEnterprise
保存領域30GB2TB5TB応相談
料金680円/月1,360円/月2,040円/月応相談
GoogleWorkspaceのエディションごとの料金と保存領域

共有ドライブには参加できるメンバー数の制限があります

Googleドライブには、Googleグループとそのユーザーを共有ドライブに追加することができます。

共有ドライブのメンバーとして追加されたユーザーは、複数のグループに属していても 1 人のメンバーとしてカウントされます。

GoogleWorkspaceラーニングセンターの「Google ドライブにおける共有ドライブの制限」の中で、メンバーに関する制限事項が詳細に書かれています。

共有ドライブに対して追加できるユーザー数に限りがあるため、グループという概念を上手に活用することで、多くのメンバーを共有ドライブに追加するのです。

各共有ドライブにおけるユーザーとグループ、メンバーによる制限
各共有ドライブにおけるユーザーとグループ、メンバーによる制限について

とりわけ、大規模な組織においては、グループを上手に活用することによってメンバーシップの管理する必要があります。

少し、ややこしいですが、共有ドライブ内の1つのファイルには最大で100グループとの共有が可能です。

共有ドライブの上限を超えないためにするべき運用ルール

共有ドライブに様々な上限を設けている理由について、少し考えてみたいと思います。

その理由は、他のファイルサーバやNASと比較した際の機能的な優劣ではありません

データーを適切に保管し、誰でも簡単に見つけやすくするために最適な保存方法を維持する必要があるからです。

そのために私たちは適切な保管方法を理解して、計画的にデーターを格納する必要があると考えています。

では、どのようにデーター管理を運用していけばいいのかについて考えていきましょう。

Googleグループを活用してメンバー管理を効率化する

Googleグループの運用は、大規模な組織では必須になります。

ですが、中小規模の組織であってもグループの活用は管理コストの削減に十分つながります。

中小規模の組織においても、ぜひ取り入れたいところです。

ユーザーを個別に追加することも可能です。

しかしこの場合、場当たり的な追加になることが多く、後々管理できなくなります。

時間が経過すると「どのユーザーが共有されていてどのユーザーが共有されていないのか」が分からなくなってしまいます。

このような管理上のコストを削減するためにも、日頃から共有ドライブへのアクセスをGoogleグループ単位で制限することが望ましいです。

共有ドライブ内のデーター数を制限する

一つの共有に、とにかくデーターを放り込むような習慣は、Googleドライブにおいては変えるべきです。

データーの数が多くなることで、アイテム数の上限を超えてしまい、データーが保存できなくなってしまいます。

データーをしっかりとセグメント分けすることで適切な運用をすることができます。

さらに、階層を深くすることによりデータ運用の非効率化にもつながります。

そこで、私が推奨するのが、データに対する考え方を根本から変えることです。

具体的には「データーは保管するためではなく利用するためのもの」という意識を強く持つことです。

そのような意識で共有ドライブを運用すれば、決して階層を深くしたり複雑にすることはありません。

共有ドライブ内で検索しやすい状態を維持する

Googleドライブの最大の強みは検索精度の高さだと私は思います。

その強みを最大限発揮させるためにも、共有ドライブ内のデータは常に検索しやすい状態にしておくべきです。

  • 特定のユーザーとしか共有しないデーターはマイドライブ内に保存する
  • Googleグループ単位で保存するデーターに関しては、共有ドライブで保存する

このような一定のルールを設けることも重要です。

保管と運用を切り分けて考える

Googleドライブは単なるストレージサービスではありません。

データを”運用する”ためのコラボレーションツールと定義できます。

なお、データの種類については、大きく2つに分けることができます。

  1. 保管するデータ
  2. 運用するデータ

極論になりますが、保管するためのデータはGoogleドライブに入れておく必要はありません。

AmazonS3のようなストレージサービスを利用することで安価で安全に保管することができます。

ですので、変更したり、追加するような運用するデータのみGoogleドライブに入れておくような運用を目指しましょう。

このように保管と運用を切り分ることで、管理コストは下がり運用効率は上がります。

Googleグループの作成方法

Googleドライブの運用において欠かせない考え方が『グループ』に対する概念です。

これは何度も伝えてきました。

グループの作成方法について気になる方も多いと思います。

Googleグループは、共有ドライブだけに利用するものではありません。

メールやチャット、カレンダーなど様々なアプリケーションに対して有効活用することができます。

GoogleWorkspaceで一歩進んだ運用をするために、グループの活用は必要不可欠になりますので、ぜひご確認下さい。

この記事を書いた人

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櫻井 邦則

代表取締役

1982年生まれ。 趣味はブログとゴルフ。 ブログでは検索スコアを上げるために、ゴルフではスコアを下げるために日々奮闘しています。

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